冬の電気代

前回の投稿、0.33℃/hの家の当日の電気使用量についてですが、室温をモニターしたのが2021年の12月12日でした。
この日の電気使用量をモニターしたのが下のグラフになります。このグラフは契約している電力会社のサイトで閲覧することができます。以前紹介したとおり、スマートメータが設置されている家では、30分毎の使用量をモニタすることができます。

時間ごとの消費電力量(クリックして拡大)

前回説明したとおり、朝4時まではエアコンをOFFしており、4時から9時まではエアコンON、太陽が出てきて室温が上がり始めるタイミングで再度エアコンをOFFにしています。11時から15時まではエコキュートが稼動します。この家は太陽光発電は設置していないのですが、深夜電力を契約していないため、昼間に湯沸しした方が効率が良いのです。エコキュートは外気から熱を取り込むため、気温が高ければ高いほど取り込むために必要な電力は少なくて済みます。また、昼間湯沸ししてその日の夜にお湯を使えば、保温時間も短いため、これまた効率が良いのです。
話を戻して、16時ごろ、室温が低くなってきたので再度エアコンON、21時まで稼動させてこの日のサイクルは終わりました。曇りの日などは、もっと早い時間にエアコンを稼動させなくてはなりませんが、この日の消費電力は約20kWh、1月や2月の本格的な冬になると消費電力はもっと増えますが、それでも電気代は月2万円程度とのことでした。
さて、一般的な電気代の計算には1kWhあたり28円という指標が良く使われます。2016年ごろまでは東京電力管内では、深夜電力として1kWhあたり約12円、日中の半額以下で契約することができましたが、現在は1kWhあたり20円程度が最安になっています。火力発電は発電量がコントロールしやすい、というのが背景にあるようです。また、深夜電力は夜間の電気代が安くなる代わりに昼間の電気代が高くなってしまいます。これだと、夜間の電力消費が少なく、日中に人がいる家では、逆に電気代が高くなってしまいます。「涼温換気の家」は冷暖房にエアコンを使用するため、状況によってはオール電化であっても深夜電力を契約しないほうが良い場合もあります。逆に、蓄熱暖房器を使用する家では、明らかに深夜電力の恩恵を受けることができます。こちらについてはまた次回紹介したいと思います。

0.33℃/h

今回も???なタイトルとなりましたが、これも家の性能を示す指標の一つとなります。評価方法は一般的ではないかも知れませんが、普通に人が住んでいる状態で夜間暖房をOFFにした際の温度降下を表しています。0.33℃/hというのは1時間当たり0.33℃温度が下がるという意味です。

測定した家では、リビングの照明にソニーのマルチファンクションライトMFL-1100Sを使用しており、室内の温湿度をモニターすることができます。

この、マルチファンクションライトがなかなか優秀で、Bluetoothスピーカーやテレビのリモコン、エアコンのリモコンの機能も持っており(一部オプション)、これらを音声操作したり、外出中にエアコンのスイッチをON/OFFすることもできます。この辺りは、他のサイトを見ていただくのが良いと思いますので本題に戻ります。

下写真はとある冬の日(外気温が3℃程度)の日の、エアコン(暖房)をOFFにしてからの温度推移を示したものです。就寝時にエアコンOFF、その後の温度低下は0時から3時当たりの部分がわかりやすいですが、タイトルの通り、3時間で1℃、1時間当たり0.33℃となります。

もちろんこの間も24時間の換気は続けられています。そして朝5時にタイマーでエアコンON、起床する6時ごろには室温を19℃程度に回復させています。もしくは朝6時までエアコンをOFFにしていても18℃位になる見込みです。普通の家で就寝前に暖房を切って、朝起きるころには何度位低下しているでしょうか...

また、エアコンを24時間入れっぱなしにする運用法もありますが、この家では睡眠時の温度低下が小さいため、夜間と日中の温度が上昇する時間のみエアコンをOFFにしています。頻繁にエアコンをON/OFFすることは機器の寿命を縮めますが、1日に数回、数時間のOFF時間を設けることは電気代も、エアコンの寿命にも良いと考えます。電気代については次回報告させていただきます。

もちろんこの結果はその家での結果であり、家の大きさや窓の面積、家族構成などで大きく変化する可能性はありますが、このような暮らし方ができるという一例となります。

 

窓と結露

本ブログで最近閲覧数が多くなてっているのが、リモコンニッチの記事と窓と気密性から始まる一連の窓の記事になっています。今日も窓に関するお話をしようと思いますのでお付き合いください。

高気密高断熱の家のメリットの一つとして、「結露がない」ということが一般的に言われていますが、本当でしょうか。もちろん建物の環境や住環境、家の性能によるところがありますが、高萩建設の家は「結露しない家」とは言えないのが事実であります。もちろん冬になると毎日結露するというわけではありませんが、特定の条件下で結露が発生します。その条件とは、室内の湿度が70%以上、室温と外気温の温度差が20℃を超えるときに発生します。発生した時の写真が下になります。

高気密高断熱の家の結露の例(ガラスの下側に結露発生)

一般的にみられる窓一面の結露を想像された方もいるかと思いますが、高気密高断熱と言われる家であれば結露はこの程度です。この結露ですが、日中になると自然に消えるので特に手入れは必要ありません。

この結露の発生メカニズムですが、簡単に言うと外気で窓や窓枠が冷やされて、窓及び窓枠は、室内よりも温度が低下します。その低下しているところに室内の湿気を含んだ温かい空気が触れることで冷やされ、空気中の水分が出てくることになります。氷の入ったコップの外側に水滴がつくのと同じ仕組みです。高性能な窓の場合、窓一面の温度が下がるのではなく、一番温度が低くなるのがガラスの下側、ということになります。

もう一つポイントがあるとすれば、カーテンの影響があります。厚手のカーテンや写真のようなハニカムシェードのように断熱性の高いもので窓を覆うと、窓枠の室内側の空気と室内の空気の循環が遮断され、窓側の温度低下がさらに大きくなります。そうすることによって、窓の空気が冷やされる度合いも大きくなり、結露の量が増えることになります。結露は窓の性能が一定である前提であれば、室内外の温度差と、室内の湿度、室内の空気の循環度合いによって発生する/しないが決まります。

ハニカムシェード

どうしても結露に悩まされる方がいらっしゃれば、夜間カーテンやブラインドを少し開けるというのも結露対策の一つとなります。もちろん断熱性が落ち暖房費が上がることと、目隠し効果がなるくなることを配慮の上お試しください。

 

室内干しがオススメ

「涼温換気」の家では洗濯物の室内干しをオススメしています。廊下や家事室などに洗濯物を干すスペースを設ければ、冬でも梅雨時でも「涼温換気」のおかげで一日あれば洗濯物が乾く室内環境となっています。もちろん外でお日様を当てて乾かしたい方もいらっしゃると思いますが、突然の雨やホコリ、花粉の付着を気にせずいられるのは室内干しのメリットではあります。

室内干しには、市販の洗濯物干しを準備したり、専用の物干しを設計時に設置する方法がありますが、専用の物干しであれば、川口技研のホスクリーンやパナソニックのホシ姫サマなどが有名です。壁付け、天井付けと色々な取り付け方法がありますが、一部電動タイプもあります。

電動ホシ姫サマ(スイッチで上下させることができます)

こちらのお施主様は奥様へのプレゼントということで、この電動タイプを家事室の天井にビルトインされました。手動であれば毎回の上げ下げが面倒になり、下げっぱなしになってしまう懸念もありましたが、電動なので洗濯物を吊るすときはバーを下げ、乾かしている間は天井近くまで上げることで、洗濯物の大きさにもよりますが、その下を移動することができます。

引っ越しされた奥様にお話を伺ったのですが、洗濯のために外に出なくて良いことや、天気を気にせず洗濯できること、物干しのバーを干しやすい高さに移動できるので背伸びをしたり腰を屈める必要がなく、洗濯のストレスが激減したとおっしゃっていました。