リモコンニッチ

今年初めに引き渡した物件ですが、リビングとキッチンの間の壁にリモコンニッチを施工しました。中央部に「涼温な家」のエアコンと換気システム、エコキュートとインターホン、LDKの照明スイッチをレイアウトしています。

内断熱の場合、壁内に断熱材があることからニッチのレイアウトが制限されますが、外断熱であれば柱間に断熱材が入らないため、レイアウトの自由度が高くなります。ニッチにリモコンを設置することで、リモコンが壁面から飛び出すことなく、すっきり収めることができます。スイッチとコンセントはパナソニックのアドバンスシリーズを使ってリモコン類とのデザインを合わせています。調光のような機能スイッチを採用するとコストアップになりますが、単機能のスイッチであれば標準スイッチからのコストアップはそれほど大きくありません。

中央にあるのはAmazonのechoです。「アレクサ、リビングの電気をつけて」でコントロールでき、照明のタイプによっては明るさや色も声でコントロールできます。スマートスピーカーが出てきたおかげで、調光スイッチなどの高価なスイッチを使うことなく調光機能が実現できるようになりました。

また、お施主様のリクエストでニッチの壁紙はリリカラ社のマグネットクロス-JMマグネットを使用しました。マグネットでメモを留めることができます。マグネットを使うには壁紙の裏に鉄板を仕込む方法もありますが、経時変化によるサビの懸念があるため、多少のコストアップあってもマグネットクロスを採用しました。

続・基礎は大切です

前回の投稿「基礎は大切です」では、現在の高萩建設の基礎工事に関する工法のキーワードを紹介させていただきましたが、各工法についてもう少し詳しく説明させていただきます。

ミラポリカMP工法

JSP社の防蟻断熱材「ミラポリカ」を基礎外断熱材として使用した「いい家をつくる会」独自の工法になります。ミラポリカはシロアリがかじれない、蟻道を作れないほどに固い断熱材です。そのため、薬剤を使用せず、物理的にシロアリの侵入を防ぐことができます。その他防蟻効果のある断熱材としては、断熱材に薬剤を注入するものもあります。一例として、スタイロフォームATという、ネオニコチノイド系の防蟻剤を含ませたものがあります。ネオニコチノイドという薬剤は農薬としても認められている安全性の高いものですが、代表としては薬剤はできる限り使わないに越したことはないと思っています。

基礎コンクリート打設前、右側の白い板がミラポリカです

ミラポリカの説明が長くなってしまいましたが、ミラポリカを使えばシロアリ被害を軽減できますが、それでもゼロにはできません。「いい家をつくる会」では、断熱材の継ぎ目に、特殊な樹脂を注入しそのわずかな隙間をふさぐことで、より完成度の高い防蟻システムとしています。それが「ミラポリカMP工法」となります。

特殊樹脂と専用ガン

樹脂注入の様子

基礎のお話は今回で終わりにする予定でしたが、もう少し続きます...

 

基礎は大切です

外断熱、特に基礎外断熱工法で一番心配なのがシロアリ、防蟻対策です。高萩建設には20年以上の外断熱工法の実績と、そこから得られた知見があります。

高萩建設の現在の基礎仕様ですが、ミラポリカを使った基礎外断熱に、配管回りや基礎打ち継ぎ部分にはターミメッシュ、さらに高萩建設オリジナル工法を組み合わせたものが標準となっています。もちろん薬剤は一切使用しません。おかげさまで現在の工法を採用し過去2006年以降シロアリ被害は出ておりません。

現在はミラポリカMP工法が主流でありますが、17年以上のシロアリ被害ゼロの実績と経験から、お施主様に技術の特長や建設地の特性を説明させていただいた上で、複数の工法を組み合わせて施工します。

ミラポリカMP工法、ターミメッシュ工法の詳細については、長くなってしまうので次回の投稿とさせていただきます。

古民家風の内装

高萩建設のお施主様はどちらかというと「こだわり」の強い方が多いです。こだわりのポイントは人それぞれですが、この現場では古民家風内装のリクエストがありました。

古民家風住宅には良質な木材、建具、漆喰など、現在の一般的な住宅とは異なる材料が必要なのと、その材料を本来あるべき位置にレイアウトできる構造的な制約をクリアする必要があります。

今回メインとなる素材は一尺五寸角の欅の通し柱、そして秋田杉の天井材を選ばせていただきました。もちろん原木買いのものになるので、市場に出回るものより品質、価格ともに良いものと自信があります。壁の一部にはこれもお施主様のこだわりアイテムである、リクシルのエコカラットを使用したり、ライティングについても、設計士と入念な打ち合わせを行い、設計段階からベストな位置を提案させていただきました。

最後に重要なことですが、外断熱工法+TIP構法は古民家の構造を現代の住宅性能で実現するための最適な構造です。旧来の日本家屋は真壁という、柱や梁などが室内から見える構造ですが、柱の間に断熱材を入れる必要がある内断熱工法では、柱を見せるために断熱材を薄くするなど工夫が必要です。また、耐震強度を上げるために筋交い(柱の間に斜めに入れる補強部材)が必要になりますが、TIP構法ではその数を最小限にすることができます。

高萩建設は完全自由設計・施工でお施主様の「こだわり」に応えています。