続々・基礎は大切です

さて、基礎のお話も今回で3回目です。まだまだ紹介したいことはありますが、基礎については今回で一区切りです。もう少しお付き合いください。

ターミメッシュ

ターミメッシュの基本は、断熱材と化粧モルタルの間にシロアリが通れないほど細かいステンレスのメッシュを貼り付ける工法です。現在は「ミラポリカ」を使うことで断熱材が食い破られることはないので、断熱材を覆うターミメッシュは使っておりません。しかし、ミラポリカがいくら優秀な素材でも、それが使われていないところでは効果がないのは当然です。ミラポリカが使われずに白蟻が侵入する可能性がある場所が、配管回りや基礎打ち継ぎ部分になります。

配管の途中に厚めのリング状のものが見えると思いますが、これがターミメッシュになります。配管とコンクリートの隙間をふさぐようにこのメッシュを挿入することで、配管周りからのシロアリの侵入を防ぐことができます。

高萩建設オリジナル工法

ミラポリカMP工法とターミメッシュを適材適所で使用することで、ほとんどの白蟻の侵入ルートを塞ぐことができましたが、もう一か所心配なところがあります。ミラポリカ断熱材と基礎コンクリートの間です。

        左:従来工法                                右:高萩建設オリジナル

高萩建設ではミラポリカの下端に隙間をあけ、基礎コンクリートと樹脂モルタルでミラポリカを密封してしまいます。これで、最後の白蟻の侵入口を塞いでいます。デメリットとして、多少の断熱欠陥が発生しますが、茨城県や福島県の浜通りという比較的温暖な地域が施工エリアとなっていますので、断熱よりも防蟻を優先する判断をしております。

高萩建設では白蟻被害ゼロを継続できるよう、現状に満足することなく、施工状態に気を配っています。すべての建物に代表が携わることで、手抜きは無論のこと、「うっかり」という施工ミスが起こらないよう目を光らせています。もちろん、もう何十年と一緒に家づくりをしている職人の技術も人柄も信頼していますが、自分が創る家は自分で責任を持てるようにしています。

続・基礎は大切です

前回の投稿「基礎は大切です」では、現在の高萩建設の基礎工事に関する工法のキーワードを紹介させていただきましたが、各工法についてもう少し詳しく説明させていただきます。

ミラポリカMP工法

JSP社の防蟻断熱材「ミラポリカ」を基礎外断熱材として使用した「いい家をつくる会」独自の工法になります。ミラポリカはシロアリがかじれない、蟻道を作れないほどに固い断熱材です。そのため、薬剤を使用せず、物理的にシロアリの侵入を防ぐことができます。その他防蟻効果のある断熱材としては、断熱材に薬剤を注入するものもあります。一例として、スタイロフォームATという、ネオニコチノイド系の防蟻剤を含ませたものがあります。ネオニコチノイドという薬剤は農薬としても認められている安全性の高いものですが、代表としては薬剤はできる限り使わないに越したことはないと思っています。

基礎コンクリート打設前、右側の白い板がミラポリカです

ミラポリカの説明が長くなってしまいましたが、ミラポリカを使えばシロアリ被害を軽減できますが、それでもゼロにはできません。「いい家をつくる会」では、断熱材の継ぎ目に、特殊な樹脂を注入しそのわずかな隙間をふさぐことで、より完成度の高い防蟻システムとしています。それが「ミラポリカMP工法」となります。

特殊樹脂と専用ガン

樹脂注入の様子

基礎のお話は今回で終わりにする予定でしたが、もう少し続きます...

 

基礎は大切です

外断熱、特に基礎外断熱工法で一番心配なのがシロアリ、防蟻対策です。高萩建設には20年以上の外断熱工法の実績と、そこから得られた知見があります。

高萩建設の現在の基礎仕様ですが、ミラポリカを使った基礎外断熱に、配管回りや基礎打ち継ぎ部分にはターミメッシュ、さらに高萩建設オリジナル工法を組み合わせたものが標準となっています。もちろん薬剤は一切使用しません。おかげさまで現在の工法を採用し過去2006年以降シロアリ被害は出ておりません。

現在はミラポリカMP工法が主流でありますが、17年以上のシロアリ被害ゼロの実績と経験から、お施主様に技術の特長や建設地の特性を説明させていただいた上で、複数の工法を組み合わせて施工します。

ミラポリカMP工法、ターミメッシュ工法の詳細については、長くなってしまうので次回の投稿とさせていただきます。

古民家風の内装

高萩建設のお施主様はどちらかというと「こだわり」の強い方が多いです。こだわりのポイントは人それぞれですが、この現場では古民家風内装のリクエストがありました。

古民家風住宅には良質な木材、建具、漆喰など、現在の一般的な住宅とは異なる材料が必要なのと、その材料を本来あるべき位置にレイアウトできる構造的な制約をクリアする必要があります。

今回メインとなる素材は一尺五寸角の欅の通し柱、そして秋田杉の天井材を選ばせていただきました。もちろん原木買いのものになるので、市場に出回るものより品質、価格ともに良いものと自信があります。壁の一部にはこれもお施主様のこだわりアイテムである、リクシルのエコカラットを使用したり、ライティングについても、設計士と入念な打ち合わせを行い、設計段階からベストな位置を提案させていただきました。

最後に重要なことですが、外断熱工法+TIP構法は古民家の構造を現代の住宅性能で実現するための最適な構造です。旧来の日本家屋は真壁という、柱や梁などが室内から見える構造ですが、柱の間に断熱材を入れる必要がある内断熱工法では、柱を見せるために断熱材を薄くするなど工夫が必要です。また、耐震強度を上げるために筋交い(柱の間に斜めに入れる補強部材)が必要になりますが、TIP構法ではその数を最小限にすることができます。

高萩建設は完全自由設計・施工でお施主様の「こだわり」に応えています。