子供が開けない玄関

最近お引き渡ししたお施主様には小学生のお子さんがおりますが、そのお子さんが玄関のドアを開けるのがとても大変なようです。もちろん大人が操作すれば「ちょっと抵抗がある」程度なのですが、小学校低学年のお子様は難儀するようです。事前にドアが重くなるだろうということはお伝えしておりましたが、やはり予想通りの結果となってしまいました。

原因は建物の気密性が高いためで、ドアを開ける際にドアの面積分の空気を引っ張り出す分気圧が下がるのですが、それがドアの重さにつながります。特にキッチンの換気扇を使っているときは、換気扇で内部の気圧が下がっているため、その内外の気圧差でドアが重くなってしまうのです。高萩建設では同時給排の換気扇を使っていますが、それでも換気扇使用時は建物内部の気圧が下がってしまいます。気密が高い家というのは息苦しいのではないかと思う方もいるかと思いますが、第一種換気で計画的に換気されており、中にいても息苦しくなることはありません。

第一種換気とは家の中の空気を外に出す排気と、外の綺麗な空気取り込む吸気を機械的にコントールします。そのため、吸気のみを機械的に行う第二種換気や、換気扇で排気のみ行う第三種換気に比べ、空気の質のコントロールが容易になるのです。ただし気密が高くないと第一種換気でも設計通りの性能を出すことができません。設計想定外の隙間があると、そこから余計な空気が出入りしてしまい、換気のコントロールができなくなってしまいます。

ちなみに高萩建設では、玄関ドアにYKK AP社のイノベストD50を標準的に採用しています。このドアは仕様によっては同社最高断熱性能のイノベストD70と遜色のない性能を持ちながら、コストパフォーマンスが高いものになります。また、断熱性能を高めるためにドアパッキンなども特別製であるため、気密を高める効果も高くなっています。

海外メーカーまで範囲を広げれば、より性能の高いものもありますが、価格が高い上に、車のドアのようなスマートキー、キーレスキーが選択できるのは、やはり国産メーカーのものになります。イノベストD50のスマートキー(オプション)の紹介は別の機会にさせていただきます。